linemusic

LIFE

LINE MUSIC無料に関する考察

  • ARTICLE - No.32
  • issue-2015.9.17   
  • 2,090 views

Posted by Keisuke Aratsu
POP1280

今日twitterを見ていたらLINE MUSICに関するツイートが流れてきてそれを見たときにあまりの無知さというか配慮の無さに呆気にとられてしまいました。全ての事業やプロジェクトは慈善事業じゃないんだよ、と思ってしまうレベルでした。今や大多数の人たちがスマホを持っていて無料で利用できるアプリもたくさんあるから基本タダだというのが常識なんだろうか。驚いた、という他に感想を思いつかない。

音楽を聴くのにお金はかかるか否か

さて、これについてですが僕はお金がかかると思っています。デジタルが普及する前はみんなレコードやCDを買っていたわけだし。もちろん時代が変わったのは分かっているのでいつまでも懐古的に昔の例えを出すなっていうのも分かっているつもりです。
ただ、このツイートを見たときもうやるせない気持ちになったというかあまりに利己的すぎる意見に唖然としてしまいました。


これ見たときに一体どういうつもりなんだろうと思ってしまったし、人が作ったものに対してなぜお金がかからないと思っているんだろう?と不思議な気持ちになりました。音楽を聴くのにお金がかかるのはおかしいっていう意見に対して、それがなぜなのか説明が必要だと思います。

慈善事業じゃないと思う

まず、LINE MUSICっていうのは契約後一定期間が経ったら料金が発生しますよ、っていうアナウンスは流れてたと思うんですよね。なのになぜ無料であることが当たり前だと思っているのかが僕には謎で仕方ないんですね。
もう一つこれよりも大きな謎はなぜ人が作ったものを自分が無料で提供してもらえると思っているのかという事。
そもそもストリーミングかつ低料金で音楽が聴けるなんていうだけで僕は「ありがたやありがたや」という気持ちですし(新譜だってチェックできてしまうというのに!)、そのサービスを準備する側は膨大な資金を投じて開発してるはずなのにその資金を回収しなくてもOKだなんて理想郷のような事があるわけがないんですよね。
サービスを開発するために、僕がパッと思いつくだけでも開発チームにディレクター・デザイナー・エンジニア・プログラマがいて、楽曲を提供するレーベルがあって、場合によっては外部に発注する仕事もあって、完成間近になってくるとサービスの宣伝を担当している人も関わってきて、レビューを書くライターもいて、さらには見えないところで活躍してるスタッフもたくさんいて、相当たくさんの人を巻き込んでようやくサービスが完成しているはずなんですね。そしてさらには、そもそもの楽曲を作るミュージシャンがいなければこのサービスは成り立ちません。
ここにかかる人件費や開発費、宣伝費や契約金など、僕には想像もつきません。
こんなにたくさんの人が集まって膨大な時間をかけて作ったものがなぜ無料で使えるのか。恐ろしい事を言わないで欲しいと思ってしまいます。慈善事業じゃないんだから。

人の作ったものは自分のものではない

LINE MUSICが無料であるべきだという人たちは自分でサービスやらアプリやら作ったらいいと思うんですよ。絶対できないと思う。そもそもよほどの根気と勤勉さがなければアプリを作るっていうだけで挫折すると思います。androidなんて複数機種が存在するから現行機種の大半に対応させるとか途方もない作業だと思います。
嘘だと思うなら一度やってみたらいい。ちなみに僕は絶対嫌です。ズブの素人だったらどこから手をつけていいかも分からないはずだぜ。
という訳でざっとまとめるとアプリを作るにしてもサービスを作るにしても、自分ができない事を代わりに人がやってくれる訳です。しかもそれはある日突然できるようになった訳ではなくて、それができるように努力した勤勉さの結晶だと思うんですよね。人にできない事ができるからこそ価値がある。そうだと僕は思っています。それこそ誰にでもできると思ってるんなら自分でやってみればいいさ、っていう事です。
それに常々僕は思っているけど、なぜこんなに技術やサービスにお金を払いたがらないのか?っていう疑問。これは結構深刻な事だと思う。
作ってる人たちは自分たちの仕事の対価としてお金を稼いで、それで家族を養い、子供を教育し、老後の蓄えを作っておく、これって当然ですよね。でもそこに支払われるべき対価がなければ少しづつ色んな事が犠牲になっていく。それは悲しい事だと僕は思う。フェアじゃない。
まぁ、それを無料で提供できるようにするのが企業努力だろうが!という意見の人には絶対に通じない考えなんでしょうが。自分ができない事を他人に無理強いするなんて事が日常的に行われているって事ですね。あまりいい事とは思えない。

ていうか無料アプリを落とすときに、自分のデバイスに対して色んな権限与えてるの気づいてるのかな。
そういうところに無料の理由があるはずなんだけどなぁ。無料で使えるって事、確かにハードルが低くてサービスを使ってもらういいきっかけだけど、その裏側でこういう意見を助長してしまうのは寂しい事ですね。ありがたみという言葉について考えたくなりました。
もちろん皆が皆こういう意見でない事は分かっているつもりです!

LATEST_

ABOUT ME_

アラツ ケイスケ :
福岡県糟屋郡志免町在住。畑で野菜を育てて生きていきたいwebデザイナー。嫌いなものはクチャラー。1984年10月生まれ。昨年三十路デビューしました。音楽とB級映画をこよなく愛す一面、垂れ流すだけで何を聞いたか観たのか全く記憶にないこともしばしば。(大抵寝落ちしてるか、本を読んでます。)
このブログでは自分が書きたい音楽の事やデザインの事、福岡の事を好きなように書いて行くつもりです。記事掲載のご相談も受け付けますのでどうぞお気軽に。随時受け付けます。僕がバテあがってたらお返事までお時間掛かると思いますが悪しからず。

→CONTACT