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MUSIC

Radiohead / Burn the Witch

  • ARTICLE - No.43
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Posted by Keisuke Aratsu
POP1280

突如届けられたRadioheadの新曲。 ここ数年で恒例となってきた意味不明な告知でタメを作りそれとなくリリースするという手法にもそろそろリスナーも慣れてきた感は出てきていると思う。
昨日公開されたアー写では犯罪者なのかなんなのか分からないような劇画チックなビジュアルをお届けしてくれましたがフィルだけは相変わらず健康そうでとても安心しました。昔から変わらない。

これはRadioheadの新曲??

Burn the WitchのPVは、これはもう完全にウィッカーマンだった。最後にハリボテの巨人が出てくるあたり、やはり完全にウィッカーマンだった。まぁそれはどうでもいいとして。
この曲がリリースされてからというもの、結構聞いてきたしそれなりに良さも感じるようにはなってきたけど、これは果たして「Radiohead」という名前を使ってやらなきゃいけない事なのかと思ってしまった。
というのも僕はRadioheadという集団はロックバンドだと思っていて、それはやはりロックなサウンドを期待していつも新作を待ってはいるのだけど、どうもここ数年その期待に応えてくれる音は出てきていない。(ロックなサウンドというよりも溢れるポップネスを期待しているといった方が正しい。)
前作TKOLの中のLotus Flowerのような曲は大好きなので、こういうの聞きたかったんすよ。っていう気持ちにさせてくれはしたものの、他の曲はどうもリズムが細かったり技巧に凝ったサウンドを目指しているんだろうという印象が強く、ほとんど聞かなかった。

ポップネスの欠如

最近のRadioheadはこれにつきると思う。もうキャリアも長いし、ネタも尽きてきて昔のようにソングライティングができなくなってきてるんじゃないかと思う。僕は中学生の頃からRadioheadを聞いているのでかれこれ15年以上は聞いている訳ですが、やっぱり最近の曲はどうもしっくりこない。音楽なんか自分の好みなのでそれまでと言ってしまえばそれまでなんだが、昔のように分かるまで何回でも聞いてやるぞ、っていう気持ちを揺さぶってこないようになってしまった。(単純に自分が歳くって偏屈になっただけの可能性も十分に、十分にある)
例えばPablo HoneyやThe Bends、OK Computer、KID Aなんかはアルバム全編を通してポップネスを発揮しているし、これはやっぱり何年たってもついつい聞きたくなってしまうんですよね。
だけどTKOLしかりin rainbowsもそこまで聞き直すことはなかったし、次のアルバムもそうなるんじゃないかと思ってる。
じゃ聞くなよって言われてしまえばその通りなんだけど昔からのファンとしてはやっぱり聞きたい訳で多分聞いてしまうんだと思います。そして肩を落としちゃうのかなぁとも。

他のバンドでも良いでは説

結論から言うと最近の曲ってRadioheadじゃなくても他のバンドでも代役がきくんじゃないかと思ってしまう。その辺がメジャーレーベルを介さなくなってしまったデメリットの一つかなとは以前から思ってます。スポンサー関係でバンドを取り巻く環境が変わったはずなので作ったものに対して口やかましく言う人間が圧倒的に少ないはずだから作品を作るにあたってかかるストレスがかなりなくなったのでは。だから結局作ったものの良し悪しは自分たちで決める事になるし、そしたらやっぱり自分たちの気づかないところに妥協点は出てくると思うんですよ。これはモノを作ってる人間ならすぐに気づくと思う。そしてデザインにも同じ事が言える。
でも一番の問題はRadioheadが今回の新譜に納得してるかどうかって事だと思ってます。もし納得してないんだったらそんなものリリースすべきではないし、それやっちゃうんならもう解散してよ、って感じですね。
トムも昔のインタビューで「OK Computerをリリースしてから解散するのがベストだった」って言ってたんだし。

New Orderとの関連性

昨年発売されたNew Orderのバーニー本、これはとても良くてバーニーの音楽に対する熱い思いが書かれていた。曲作りについても言及していて、彼らは結局のところ音楽に対する素養を持ち合わせていないので何度もセッションやフレーズ出しを重ねて、自分たちの琴線にふれたものをようやく形にしようと決心するのだとか。感覚を大事にして作っているからこそ、バカみたいに時間はかかるし下手くそなのにあんなにいい曲が書けるんだなと分かった。実際本人たちは下手くそだし、下手くそのままでいいと思ってるはずだからいつまでたってもこなれた感がでないんだろうと思う。
というところでRadioheadもKID Aあたりまではこの手法だったのでは?と思う。OK Computerなんかあんなに暗くてコマーシャルな作品じゃないのにそれでも売れてしまったのはリスナーの琴線を揺さぶったからだと思う。世紀末効果もあって全世界で850万枚を売り上げたそうだ。
今が90年代だったとしてBurn the Witchをリリースしたら売れるんだろうか?時代の違いはあるにせよそこまで売れないんじゃないかなと思ってしまう。(逆に今OK Computerリリースしたらどうなの?って感じですかね)
バンドも生き物だからピークがあるとは思うけど、好きなバンドが新譜を出したらいつでも楽しんで聞いていたいものだと思う。なんだかんだ言いながら僕はRadiohead大好きなので。サマソニも行く気マンマンだし。ライブで聴くとまた印象変わると思し。

Radioheadだけで話を進めると何だかなぁって感じだけど、今年リリースされたものでいえばLust for Youthの方がゾクゾクするし、Mystery jetsの方がソングライティングいいと思うし、Clarkもヒヤヒヤするようなヤバいサントラ作ってたし、Rival Consolesもかっこよかった(これは2015リリースで今年に入ってから知った)。他にもいい作品はあるから自分がRadiohead聞きたくなくなったらもう聞くのやめればいいって話なんですけど。でも少し寂しいのでしばらくは新譜追い続けようと思います。

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ABOUT ME_

アラツ ケイスケ :
福岡県糟屋郡志免町在住。畑で野菜を育てて生きていきたいwebデザイナー。嫌いなものはクチャラー。1984年10月生まれ。昨年三十路デビューしました。音楽とB級映画をこよなく愛す一面、垂れ流すだけで何を聞いたか観たのか全く記憶にないこともしばしば。(大抵寝落ちしてるか、本を読んでます。)
このブログでは自分が書きたい音楽の事やデザインの事、福岡の事を好きなように書いて行くつもりです。記事掲載のご相談も受け付けますのでどうぞお気軽に。随時受け付けます。僕がバテあがってたらお返事までお時間掛かると思いますが悪しからず。

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